11/25/2009

Thanksgiving Dayは年2回

ナパ旅行記の途中ですが、明日(日本では今日)の木曜日はThanksgiving Dayなので、そのことを。

アメリカのThanksgiving Dayは、11月の第4木曜日と決まっています。
この日は、家族や友人と過ごす日。
公的機関はお休みになりますし、お店もCloseもしくは営業時間が短縮されます。

でね。
実は、この、Thanksgiving Day、1年に2日あったことがあるんですって。知ってました?
先日の英語のレッスンの時に聞いて、面白いなあと思ったので、ご紹介。
(ちょっと長くなりますよ。)
 
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■ 1621年 ■
そもそも、Thanksgiving dayの始まりは、1621年の秋、と言われています。
ピルグリム(1620年に、信仰の自由を求めてイギリスからメイフラワー号でアメリカにやってきたピューリタン達)とネイティブアメリカンが集い、その年の収穫を祝ったというもの。
これを機に、Thanksgiving Dayが始まったんですが、最初は特に定期的に行われていたわけではなく、また、すべての人がお祝いしていたわけでもないそう。


■ 1789年 ■
それを最初に公的なものとしたのは、1789年
George Washingtonが初代大統領に選ばれて、名実ともにアメリカが独立国となった年のことです。

彼は、この年の11月26日木曜日を、特に、新しい国家と憲法制定に対する感謝をささげる"a day of public thanksgiving and prayer"としました。
 
こうして、公式に"national day"とされたにもかかわらず、この後も、まだ、Thanksgiving Day毎年行われる恒例行事ではなく、時期もまちまち。


■ 1863年 ■
さらに時は過ぎて、1863年10月3日。
時の大統領Lincornが、Washingtonが決めた日を元に、"11月の最終木曜日"を"Thanksgiving and praise"の日として宣言しました。

これで初めて、Thanksgiving dayは、特定の日時が定められた公的な年間行事となったのです。


■ 1939年 ■
それに変化が起こったのが1939年。

この年の11月の最終木曜日、つまりThansgiving Dayは11月30日でした。
それでは困るから一週間早めてくれと、要求したのが小売業の人たち。
どういうことかというと、この頃、Thanksgiving Dayの後からクリスマスショッピングを始めるのが一般的。"11月30日がThanksgivig Dayだと、クリスマスまでたったの24日間しかないから、売り上げが減っちゃう”というわけです。
そんなに変わるものじゃないんじゃないかと思うんですが、この頃のアメリカは1929年に始まった世界恐慌の影響で大不況の真っ只中。小売業の人たちも必死だったんじゃないかと思われます。

Franklin D. Roosevelt大統領は、この要求を受け、"Thanksgiving Dayを1週間早める"と発表したのです。

でも、ずっと行われてきた事を変えるのって、そんなに簡単じゃないですよね。
それが、国中の人がお祝いする一大行事ならなおさら。
カレンダーは訂正しなくちゃいけないし、学校などのお休みのスケジュールも組みなおさなければいけないし・・・と言うことでアメリカ中が大騒ぎになりました。

大統領の発表に反対する州が続出し、結果、この年は、Thanksgiving dayが2日あるという事態に。
23州ではRoosevelt大統領を支持して11月23日に、
23州では従来どおりに11月30日に、Thanksgiving Dayがお祝いされたのです。
(残りの2州、コロラドとテキサスは、どちらの日にもお祝いせず。)

取引先が違う州にあってそれぞれ別の日にお祝い/休業していたら仕事自体も長く滞ることになるだろうし、家族が集うといってもこれでは難しかったでしょうし、何かと不都合が多かったでしょうね。
想像するだけで大変そう。

で、肝心の経済効果はどうだったかというと、"例年と変わらず"
1週間Thanksgiving Dayを早めた州ではクリスマスまでの1ヶ月に分散して、従来どおりにお祝いした州ではクリスマス前の一週間に集中して、それぞれ買い物に行く人が多かったという違いはあったみたいですが。
ま、なんというか、予想通り、ですね。


■ 1940年 ■
そして、次の年の1940年。
Roosevelt大統領は、"11月の最後から2番目の木曜日"をThanksgiving Dayとする、と宣言。
今度は、31州が支持、17州が反対。
年にThanksgiving Dayが2日ある、という事態が繰り返されました。


■ 1941年 ■
そんな混乱状態を収めるべく、とられた処置は法律化。
1941年12月26日、"Thanksgiving Dayは毎年11月の第4木曜日に行われる"という法律が連邦議会で可決されたのでした。


・・・・・おしまい。
年に2日のThanksgiving Day、アメリカらしいエピソードだなと思いました。
ニューディール政策くらいでしか知らなかったRoosevelt大統領の見方もちょっと変わった、かな。

お付き合いいただいてありがとうございました。
参考にした、元記事はこちら。
 History of Thanksgiving
 

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我が家は、今年はすでにターキーもパンプキンパイも堪能済み。
明日は"フランス式Thanksgiving Dinner”なるものをご馳走になりにいってきます。